骨盤・下肢の痛み

骨盤・下肢の痛みに関する主な疾患名

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)

病態:股関節は骨盤の一部である寛骨(かんこつ)が大腿骨の受け皿となる関節です。股関節の変形は特に中年以降の女性に多いとされます。原因は受け皿となる寛骨の先天的な異常(臼蓋形成不全)や、軟骨の経年劣化、股関節の骨折による変形などがあります。

症状:初期の症状は動き始めの痛みです。慢性化してしまうと、夜間、就寝中に痛みで目が覚める事もあります。歩行時にも痛みが出現し、寝返りが打てなくなります。また、太ももやおしりの筋肉が痩せてきて、階段の上り下りができなくなることもあります。

大腿部の神経痛(だいたいぶのしんけいつう)

病態:腰が原因で太ももに痛みが出ます。腰の痛みが関連痛として太ももに痛みを感じるのです。その他、腰から下肢に出る神経が腰の変形によって圧迫されるために、太ももに神経痛を感じることがあります。 また、女性が装着するコルセットの締め付けによって、太ももの表面の感覚を司る神経が股関節の前で圧迫されることもあります。

症状:太ももの全面だけの痛み、おしりから太ももにかけての痛み、おしりから太もも、ふくらはぎまでの痛みなど、痛みのパターンは様々です。この痛みは「だるい」とか「重い」「ひりひり」などと表現されることもあります。時には感覚の鈍麻(にぶい)が起こることもあります。

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)

病態:膝関節は大腿骨とすねの骨(脛骨)が連結する関節です。大腿骨の関節面は内側と外側に分かれていて、内側の方がより多くの体重を支えるために、内側の軟骨がすり切れてきます。すり切れによって生じた細かい軟骨片は関節を包む袋の内側である「滑膜」という組織を刺激してここで炎症が起きます。

症状:初期の特徴は動き始めの痛みです。その痛みは関節の内側に現れます。そのうちに歩行時にも関節内側の痛みを感じるようになります。重症化すると、関節に水がたまってきます。この水は炎症による浸出液であり、水道水ではありません。

膝関節半月板損傷(しつかんせつはんげつばんそんしょう)

病態:膝関節は大腿骨とすねの骨(脛骨)が連結する関節です。連結部分には関節の適合性をよくするための軟骨組織が存在します。それが半月板です。半月板は経年劣化によってすり切れていきますし、1回の強い力によって引き裂かれることもあります。これによって関節に痛みが現れます。

症状:膝に体重が乗ったときにや、膝にねじれの力が加わったときに痛みを感じます。痛みを感じる場所は、内側や後ろ側が多いようですが半月板損傷の位置によっても変わってくると考えられます。

足関節捻挫(そくかんせつねんざ)

病態:関節は靱帯という組織によって補強されています。関節に対して捻ることや無理な曲げ伸ばしを行うと、その動きに耐えきれなくなった靱帯は傷ついてしまいます。足首はでこぼこ道や階段を降りる動作で捻ることが多く、靱帯が傷つきやすい関節です。

症状:足首をひねった後に、ジンジンと痛みます。体重をかけると痛みがでます。くるぶし周辺が大きく腫れてくることがあります。足首を内側に曲げると激痛が走ります。

腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)

病態:腓骨筋は下腿部の外側に始まり、くるぶしの後ろで急に角度を変えて小指の骨の付け根と足の裏を通って足の内側に付きます。この筋肉は、足首が捻挫をしないようにうまく働いて足首を固定しますが、くるぶしの後ろで急に角度を変えるためにここでの負担が大きくなり腱鞘炎を起こすことがあります。

症状:歩行時に痛みを感じます。特に起床時の動き始めに痛みを強く感じる様です。

足底腱膜炎(そくていきんまくえん)

病態:足の「土ふまず」は足底腱膜という組織によってつくられています。手で親指を強く伸展させることで土踏まずに筋が現れますが、それが足底腱膜です。過度のスポーツや長距離歩行では足底腱膜に負担がかかります。この負担は足底腱膜の付着部またはその付近に炎症を起こします。

症状:起床時の第一歩めに痛みを強く感じます。歩いているうちに痛みは楽になってきますが、動き始めには痛みを感じます。重症例では症状が軽減するまでに数ヶ月かかることもあります。

外反母趾(がいはんぼし)

病態:足の親指が外側に向けて曲がってしまう状態です。足が横に広がってしまった状態で先の細い靴を履くと助長されます。

症状:足の親指の第2関節で痛みを感じます。また、角度が付いたところの皮膚は炎症を起こし、靴が当たるだけで痛くなります。

治療

これらの痛みに対して当院では、筋膜治療、鍼灸治療を行います。下肢は体重がかかる部位ですので、過体重が痛みと関係する場合にはダイエットに関する相談もお受けします。
また、必要であれば整形外科を紹介して検査を行い、痛みの原因を追及します。
それでも痛みの原因が明確にならない場合には、痛みのカウンセリングを行い、痛みを小さくするようにします。

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