
痛みが慢性化してよくならない」、「手術したけれども痛みがなくならない」、
「痛みが続くためにいつも気分が憂うつだ」
と感じて悶々とされている方は実は多いのです。
上記のような訴えを持っている患者さんが多いと考えられる具体的な病名の一部を表1に示します。これらの中には組織の老化に関連するもの(*)も含まれ、一度症状が出ると慢性の経過をたどる場合が多いです。
また、これらの疾患以外にスポーツや事故による外傷(主に骨折や靭帯損傷、神経損傷など)やそれによる手術後の痛みも同じように慢性の痛みを訴える患者さんがいらっしゃいます。
表1)慢性的な痛みを訴える疾患
| ●頸から肩の痛み |
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| 頸肩腕症候群 |
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| 胸郭出口症候群 |
| 肩こり変形性頚椎症(*) |
| 頚椎症性神経根炎(*) |
| 頚椎椎間板ヘルニア |
| 肩関節周囲炎(五十肩)(*) |
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| ●腰から足の痛み |
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| 変形性腰椎症(*) |
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| 腰椎椎間板ヘルニア |
| 腰痛腰椎椎間板症 |
| 坐骨神経痛 |
| 変形性股関節症(*)・・・股関節の痛み |
| 変形性膝関節症(*)・・・膝の痛み |
| ※上記の疾患名はそれぞれ、程度によって手術治療になることもあり、その手術後に痛みが持続する患者さんもいらっしゃいます。 |
このような患者さん方はまた、同じようなことを訴えられます。
「どこの医療機関に行っても言われる事は大体同じで、「大丈夫!」ということだが、
自分の痛みは楽にならずに納得がいかない!」
「この病気は治りにくいらしく、画期的な治療法もないらしい。しかし、何とかならないものか?」
「遺伝子を操作することができるぐらい医学が発達しているのになぜこの程度の痛みが楽にならないのか?」
またまた、医療機関の説明に納得がいかないことを表面に押し出して訴える人もいます。
「自分の体のことだから自分が一番よく知っているのに、なんだかこの医者の言うことは信用できない。自分が感じることと医者の説明がしっくりこない。この医者は本当に自分の痛みについて理解してくれているのだろうか?医者によっても意見が違うこともあるし・・・」
もちろん全ての患者さんがこのような考えに至るということはありませんが、痛みが長く続く人はこのような傾向にあると私は考えます。
そして、傾向として多いことをもう一つ追加しておきますと、上記のような患者さんは自分の痛みをしっかり診てくれる先生を求めて複数の医療機関を渡り歩いている場合が多いです。
ここに赤文字で示した患者さんの訴えは全て感情がこもっています。この感情はおそらく、痛みが楽にならないことへの不満でしょう。
このような不満は痛みに対してよい方向には働きません。なぜなら不満という感情は、その感情があるときに接する全てのものを悪いように捕らえるからです。
例えば不満を感じている時に、自分の「色」を想像してみてください。きっと「暗〜い色」でしょう。これはイメージですが、そのような時にあまり良いイメージ(明るい色)を浮かべる人は少ないです。もし、真っ赤な色を思い浮かべる人がいるとしたら、それは、不満と怒りが直結していて、その不満が怒りを自動的に引き起こした結果、「怒りの色」を思い浮かべたかもしれません。
このような色のイメージと同様に痛み感覚も同じことが言えるのではないでしょうか。なぜなら痛みは痛い場所で感じる感覚ではなく、頭(脳)で感じるものだからです。
痛み感覚は、痛い場所から神経を伝って脊髄へ入り、脊髄から脳に至って、そこで「痛い!」と感じます。だから、同じ痛み感覚が体に入ってきても“その時の感情や状況で痛みの感じ方が変わってきます。”
“その時の感情や状況で痛みの感じ方が変わる”ということを、具体例を挙げて説明しますと、道を歩いていて、突然、人とぶつかったとします。突然に全く知らない人とぶつかってその人が「ムッ!」とした態度で何も言わずに立ち去ると、その人の態度に対する不満や怒りと共に、ぶつかったところも痛く感じ、苦痛にも感じるでしょう。しかし、突然ぶつかった人の顔をふと見ると親しい人、ましてや憧れの人や恋している相手であれば不満や怒り、痛みの感覚もなくなるか小さく感じることは想像がつきます。ここで言いたいことは、痛みを感じさせる同じ力が体に働きかけても“その時の感情や状況で痛みの感じ方が変わる”ということです。
“その時の感情や状況で痛みの感じ方が変わる”のは不満や怒りだけではありません。不安もそうではないでしょうか。
今までは何とも思わなかった感覚が、それが「何かの病気の前触れかもしれない!」と思ってしまった瞬間からその感覚は体にとって悪い感覚として認識されます。
例えば、「自分の親が胃癌で最近亡くなったとして、癌は遺伝することがあると知った時、今まで気にも留めなかった胃の感覚が症状とし気になってくる」とか、「肩こりがくも膜下出血の前触れであるということを聞いた時から今まで苦痛に感じることのなかった肩こり様の感覚が急に鮮明になってきて、症状として感じるようになってくる」、「今までは慢性的な腰のだるさはあるものの、気には留めていなかったが、ぎっくり腰を経験してから腰のだるさや少しの痛みに敏感になった」といったようなことです。
これらはそれぞれ、胃癌やくも膜下出血、ぎっくり腰に対する不安が症状の感じ方を大きくしています。また、漠然と老化に対する不安もあるのではないでしょうか。
老化について意識をし始める初老期(45歳〜65歳)にさしかかる方々は昔の自分の身のこなしや体の感覚と比較して衰えを感じる所があると、そこにいろいろな意味を見つけてしまいます。その意味とは具体的に「そのまま放っておけば老化が一気に進行するのでは?」とか、「早いうちに治療をしておけば老化による痛みに備えることができる」などです。
また、老化はよくない事というイメージが一般的なために、「老化が怖い」とか、「老いることは嫌だ」などというような老化に対する漠然とした感情が体の痛みや違和感に対して不安を感じる原因となることもあるのではないでしょうか。
以上のようにここでは不満や怒り、不安という感情が痛みにどのように影響するのかについて述べてきました。
私たちは知らず知らずの間に痛みと感情を混ぜてしまって、痛みをどんどん大きくしている傾向があるようです。そのようにして出来上がった痛みは慢性の経過をたどりますし、体の治療のみでは効果を現すことはできません。
このような痛みを軽減させるためにはご自身が痛みや治療に納得される必要があります。そのためには、「なぜ、自分の痛みは楽にならないのか?」「なぜ、お医者さんは自分の痛みを取ってくれないのか?」「なぜ、医療機関は私に冷たいのか」などの疑問を解決して、解決された疑問が自分の感情にどのようにはたらいていたのかを客観的に見つめる必要があります。
しかし、お医者さんはこれらの疑問については詳しく説明してくれませんし、そのための時間も用意されていないのが現状です。
そこで当院ではそのような患者さんを意識して、痛みの治療と同時にカウンセリングも行なっております。
そのカウンセリングの中で、知らず知らずの間に痛みと感情を混ぜてしまって、痛みをどんどん大きくしている状態を整理します。そして痛みに対して患者さんに納得して頂き、結果として患者さんの痛みを小さくすることを心がけております。
お心当たりの方はまずはメールでご相談下さい。
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