小川鍼灸整骨院
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ぎっくり腰 腰痛 大阪
大阪府 大阪市 平野区加美北1-7-19 TEL:06-6755-6751
[小川鍼灸整骨院]
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コラム

急性腰痛


はじめに

前回のコラム、痛みについてのお話を理解して頂き、その上で皆さんに腰痛についての知識をつけていただきたいと思います。ここでのお話の目的は皆さんが感じている腰痛の原因についてしっかり知識をつけてもらい、納得し、痛みを怖がらないようにしていただく事です。どのような事が原因として考えられるのか?放っておくとどうなるのか?治療としてはどのような事が有効なのか?予防としてはどうすればいいのか?などをなるべく現在分かっている範囲で、医学的根拠にもとづいお話したいと思います。お話は急性腰痛(突然痛くなる腰痛、ぎっくり腰)と慢性腰痛(ずっと前から痛くて、楽になったり痛くなったりを繰り返す)に分けて行います。

●おことわり
ここでのお話は現代医学的観点を基本におき、私の経験や考えを交えてお話を進めていきます。腰痛に対してはいろんな学問(中国医学やインド医学、その他の伝統医学など)の研究者がそれぞれの理論の元に、様々な解釈があります。ですから、本文を読むにあたって、「あれ、この前のテレビではこんな事言ってなかった!」とか、「ここに書いてある事は私が読んだあの雑誌に載っていたことと違う!」と思われることもあると思います。それはいろいろな解釈がいろいろなメディアに取り上げられるからです。私は学問として最もお金がかかり膨大な数のデータや多くの研究者の共通の意見に支持されている現代医学を基本にお話します。しかし、現代医学が全てを網羅しているわけではありませんし、絶対的でもないということも理解した上でお話させてもらいます。

急性腰痛(ぎっくり腰)について

ぎっくり腰とういう呼び方は俗称であり、突然腰にひどい痛みが出現した(している)状態を表します。ですから、このような状態になる腰の奥の方の原因としてはいろいろな事が考えられます。

考えられる原因として、レントゲンやMRI、時には血液検査などで原因がわかるものと、それらの検査をしても原因が分からないものに分けられます。原因がよくわからないもののほとんどは「原因が見つからない不治の病」というものではなく「重要な原因として考えられる事を全部考えたが、どれも当てはまらないのでひどい痛みがあっても一過性のもので、すぐによくなるでしょう。大丈夫!」と言う意味合いの「分からない」なのです。

この原因がよく分からないが大丈夫なぎっくり腰を、ここでは「いわゆるぎっくり腰」と呼ぶ事にします。

原因が分かっているぎっくり腰は、何か病気が基盤にあってその症状として起きているぎっくり腰と主に老化や組織が傷んでいく変性という状態が基盤にあって起きるぎっくり腰があります。これらの原因が分かっているぎっくり腰のうちの老化や変性が基盤にあるぎっくり腰は後に慢性腰痛の原因になることもあります。

ぎっくり腰になった時にはご自身がどのタイプのぎっくり腰かを専門家に診てもらう必要があります。(表1)

(表1)原因が分かっている主なぎっくり腰
病気が基盤にあるぎっくり腰の病名 老化や変性が基盤にあるぎっくり腰の病名
骨粗しょう症による胸腰椎圧迫骨折
転移性脊椎腫瘍(がんの転移)
解離性大動脈瘤
尿路結石
など
腰椎椎間板症
腰椎椎間板ヘルニア
変形性脊椎症
腰部脊柱管狭窄症
腰椎すべり症
など

ぎっくり腰になって病院を受診される方のほとんどは原因の分からない「いわゆるぎっくり腰」か老化や変性が基盤にあるぎっくり腰であると思います。しかし、病気が基盤にある場合もあり得ますので注意してください。今現在なにか基礎疾患をお持ちの方は、その疾患が腰の痛みの原因になりうるかどうか、主治医の先生に事前に聞いておく事をお勧めします。

皆さんが困っていて、そして関心のあるぎっくり腰のほとんどが原因が分からない「いわゆるぎっくり腰」です。しかし、何の原因もないか、変性や老化が基盤にあるのかの判定は非常に難しいところであり、明確に出来ない場合もあります。確認のために、ここでお話する「いわゆるぎっくり腰」の特徴を明記しておきます。(表2)


(表2)「いわゆるぎっくり腰」の特徴
1、痛みの出現した時が明確に分かる。
  ( 例、引 越しの手伝いをしていて、冷蔵庫を持 ち 上げようとした時に意外に重く、
   「ギクッ」というイメージと共に腰の痛みがや ってきた。)
2、動こうとしても痛みのために動けない。動き始めが特に痛く、動き出すと 少し楽である。
3、寝返りをうつことができない。
4、咳やくしゃみをすると痛みがはしる。その痛みが怖くて咳やくしゃみができない。
5、腰に力が入らない感じがして、痛みと共に腰がぬけそうな感じがする。

このような痛みがいわゆるぎっくり腰の特徴です。これらの特徴に当てはまる皆さんはここの記述がご自身に有効な情報と考えてもらっていいと思います。


原因について

いわゆるぎっくり腰の原因を考えた時にまず、1、腰痛が起こる原因となった動作と 構造上どのような状態になって痛みが出現しているのかという2、構造上の原因とに分けて考えられるでしょう。それぞれについてお話します。


1、原因となる動作

重いものを持ち上げようとした時や、不意の動作を強いられた時などがほとんどです。稀に午後からだんだん痛くなってきたと訴える患者さんもいらっしゃいます。力の入れ方や、その時の姿勢に特徴的なものがあります。図1


図1姿勢と骨の位置
photo photo 左の写真は重量物を膝を曲げずに持ったところです。
右の写真はその時の腰骨の模型ですが、手に重量物(赤矢印)を持つとしたら腰に大きなストレスがかかるのがお分かりいただけますでしょうか?
腰骨にはずれようとする煎断力(青矢印)が働きますので、この姿勢を保つにはかなりの負担が腰の構造物にかかることになるでしょう。
このような姿勢で重量物を持ち上げるのはよくないとされています。
photo photo 左の写真は膝を曲げて重量物を持ったところです。
右の写真はその時の腰骨の模型です。
手に重量物を持っても、その重みは本来かかるべき重心(赤矢印)から大きくそれないために腰への負担は小さいでしょう。
重量物はなるべくこのような姿勢で持ち上げるようにしましょう。

2、構造上の原因

実は、ぎっくり腰については分かっていない事の方が多いようです。分かっている事は、明らかに構造上の変化がレントゲンやMRI、血液検査等に異常所見が現れる表1のような急性腰痛です。それ以外のいわゆるぎっくり腰の原因は今のところは仮説の範囲を脱しません。それには理由があります。原因の詳細が分からない代わりにと言っては何ですが、なぜ分からないのかを説明したいと思います。

表1のぎっくり腰は骨や軟部組織(骨以外の構造物、具体的には筋肉や腱、靭帯など)に原因と考えられるものがレントゲン撮影やMRIで画像として捕らえる事ができます。そして、それらの検査の必要性は、表1に示されるぎっくり腰は今後どうなるのか、手術が必要なのか、このまま薬とリハビリによる治療でいいのかを判断するためのものです。

構造上の原因がよくわからない「いわゆるぎっくり腰」はレントゲン検査やMRI、血液検査では異常は見つかりません。検査では異常がなく、急性の症状があるのがその特徴です。そして、これらのぎっくり腰はせいぜい1週間以内に急性の症状が収まります。その後にだるい鈍痛を感じる人もいますが、そのような人はもともと腰痛を持っている人が多いです。

せいぜい1週間程度で楽になり、後遺症もないので、高価な検査は必要ないですし、手術なんてもっての外です。結果、「いわゆるぎっくり腰」の腰そのものを開いて、そこがどうなって痛みがでているのか肉眼で覗いた事のあるお医者さんはいないのでしょう。

というわけで「いわゆるぎっくり腰」の原因は分からないのです。
それでもお医者さんは検査にも異常がなく、痛みだけ出現する痛みに対して、なんらかの原因を探さなければなりません。そこで仮説を考えます。
仮説は医学的構造(解剖学)や腰の機能(関節の動き方)、症状から考えられる事を仮説とします。しかし、どれも定説として証明されたものはないようです。


「いわゆるぎっくり腰」を放っておいたらどうなるか?

結論から言いますと、どうにもなりません。放っておいたために後遺症が残るということもありません。そのまま1週間以内によくなるでしょう。私が1週間と言うには根拠があります。それは、疫学という学問があり、そのなかで、急性腰痛の自然経過を報告した論文があります。自然経過は放っておいてどうなるのかということですが、1週間程度で急性期の痛みがなくなるとのことです。

しかし、痛みを持つ患者さんは、痛いときに白衣を着た先生に診てもらい、安心を得ないと気がすまないものです。また、患者さん自信では表1のような急性腰痛か、「いわゆるぎっくり腰」かは判断がつきませのでその判別を付けてもらう事も大切な事です。。患者さんは専門家に症状に対する意見や日常生活上の注意を受ける事で安心するのです。それが、患者さんの当然の心理であり、何もしなくても治っていく「いわゆるぎっくり腰」患者さんを正確に診断し、安心を感じていただく事が治療者の存在価値であるのでしょう。

そのようなことで、痛みがなくなるまでの間、やすらかにその期間を過ごす事が出来ます。不安を持ちながら、いつ治るんだろうと感じて気がつけば1週間経過して痛みが楽になっていく事と、1週間でよくなると説明され、理解してその期間を過ごすのでは明らかに後者の方が楽でしょう。図2

photo

この写真中央の地平線にうっすらと山が見えます。この山へこの道を通って行くとしても、どの程度の時間がかかり、どこに休憩できる場所があり、どこで食事が摂れるのか、などの情報があれば、道のりもおおよその見当がつき、不安も小さくなるでしょう。しかし何の情報もなければ、この道のりに愕然とするものです。

治療としてはどのような事が有効なのか?

先ほどもお話しましたが、ポイントは1週間です。そして、治療は痛みがなくなるまでの1週間、いかに痛みを小さくして、普段どおりの活動ができるのかにつきます。
これについては 1、痛みに対する治療 2、痛みに対する心構え  3、日常生活上の注意に分けられます。


1、痛みの原因に対する治療

痛みの原因はよく分かっていないのですが、鎮痛剤を飲んだり、座薬を使用することで、一時的に痛みが楽になります。稀に、鎮痛剤や座薬の使用後より痛みを感じなくなったという人もいます。鎮痛剤の服用は依存してしまうとよくありませんが、痛いときのみ服用するのは賢い痛みのコントロール方法だと思います。しかし、当院では薬は処方できませんのでこのような治療行っておりません。

私が行うもっとも有効と感じる治療法の一つにコルセット着用があります。特に、腰の関節や脊柱に原因があると考えられる痛みはコルセットを装着することで、脊柱が負担するべく重量をお腹が支えてくれますので、脊柱の負担が軽減されます。図3

図3  腹腔の圧と脊柱のカーブ( 腹腔は肋骨の下(肺の下の横隔膜の下))の空間です。
photo photo photo
腰骨は前にカーブしています。
このカーブが大きくなると痛みが出ると考えられます。
お腹が出てくると、内臓が入っている空間(腹腔)の中の圧力が低下して、お腹が前にカーブすることを阻止できません 腹筋を付けて、自分の筋肉で腹腔の圧を高めることができればいいのですが、腹筋はすぐには鍛えられないのでコルセットで腹腔の圧を高めてあげます。結果として、腰が安定するわけです。

※コルセットは苦しいく締めるほど効果が上がると考えられます


そして、「いわゆるぎっくり腰」の特徴である、力が入らない、腰が痛みと共に抜けるような感じがすると言う場合にはコルセットの装着により、より安定感が得られ、腰痛に対しては安心感も得る事ができるでしょう。
コルセットを使用する事で腰まわりの筋肉が弱くなるという説もあるようですが、その説は筋電図による検証の結果否定されたという信憑性が高い記述もあります。

その他、痛みをごまかすための低周波治療や針治療も有効です。


2、痛みに対する心構え

患者さんは痛みがあれば不安になり、不安が痛みを尚、大きくすることは「痛みのお話」で述べさせてもらいました。表1の急性腰痛から除外された「いわゆるぎっくり腰」は1週間程度でよくなること、後遺症は残らないこと、特別な原因はない(わからないがよくなっていく) ということをしっかり理解していただければ、不安もなくなり、痛みも小さくなることでしょう。図4

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図4Looserの多層図改変
「痛みを感じやすい人」と「痛みを感じにくい人」は同じ大きさの「体に存在する痛み」を持っています。しかし、感じにくい人の方が全体としての痛みが小さいのは、不安が小さく、その結果、「痛みに対する行動」が小さくなったためと考えられます。


3、日常生活上の注意

以前は「腰痛の一番の治療は安静である」と言われていました。今でも患者さんにそのように説明する先生も少なくありません。しかし、それは本当でしょうか?アメリカの研究機関で分かった事は、急性腰痛患者さんをベット上で安静にさせた、治療グループと出来る範囲で日常生活をまっとうさせたグループでは後者の方が、痛みが早く消失したという事です。この研究は信憑性が高いと考えますので、私は、出来る範囲で動いてもらうようにしています。動いてもらったことで痛みが大きくなった患者さんは今のところいません。


以上が急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)についてのお話ですが、ここでは表1に示したた急性腰痛については述べていません。病気が基盤にあるものはその疾患に対する治療が最優先になりますので、専門医の治療が必要となり腰痛治療の範疇からは外れるでしょう。老化や変性が基盤にある急性腰痛の多くは慢性腰痛の原因でもある事が多く、慢性腰痛になる前の痛みのきつい時期として,急性腰痛の形で現れたり、だるい痛みとして慢性腰痛の形で現れたりします。言い換えると激しい痛みになったり、動けない程ではない、だる重い鈍痛になったりします。そういう意味で、「いわゆるぎっくり腰」と区別しました。表1の老化や変性が基盤にある急性腰痛は慢性腰痛にとっても重要な事なので、慢性腰痛のところで詳しくお話します。

少し複雑になりましたが、これらの事を理解して頂き、次回は慢性腰痛のお話に移ります。


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