はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。前回同様今回も、腰痛が改善した患者さん(ペインスケールは10→3)について報告させて頂きます。
内容につきましては、基本的な構造が変わらない程度に性別や年齢、職業、具体的な社会的背景などを個人が特定できないように加工しています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目にある加美北地区にあります鍼灸整骨院です。鍼灸・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法の理論を応用して治療に用いています。
最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅です。1番出口から徒歩1分のところです。最近は北巽と間違えて下車される方もいらっしゃいますが、北巽ではなく南巽です。
北巽から南巽までは徒歩で15分ぐらい歩きますよ。だから間違えないでくださいね。小川鍼灸整骨院はみなさまに近く、地域でおすすめの整骨院を目指しています。
執筆担当は小川です。
http://www.korikori.com/staff/
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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http://www.korikori.com/?post_type=blog&p=3304&preview=true
事例
Bさん:49歳 男性、営業事務職
主訴:①腰~臀部の痛み ②頚から背中の全体的なだるさ
Bさんは10年ほど前にぎっくり腰になってから腰の調子が悪いと感じるとのこと。「いつも違和感があるような、でも調子が良いときもある」と現在の症状について表現されました。
事務仕事に従事されているBさんは普段より運動不足を感じておられ、猫背になってきていることや「朝10分、夜10分マッサージ機にのらないと身体が硬くなってくる」と感じておられます。
動けないほどの痛みではないけれどもこの感覚が気持ち悪いので何とかしたいと考えて当院を来院されました。ご自身では「ストレスは感じにくい」と話しておられました。
問診と診立て
前回のブログで紹介した患者さんもそうですが、「生活が妨げられる程の痛み」ではないけれどもすごく気になるのが、慢性的な肩こり・腰痛の特徴といえます。
今回のBさんも同様の痛みをうったえておられました。
整形外科的な解釈を行なうと、Bさんの背中の痛み・腰痛は典型的な脊椎の変性による痛みと考えられます。
Bさんのように、腰痛が腰以外の部位で感じられることは、腰椎の変性による関連痛と考えられます。このことは1980年代に既に言われていることです。
下の図は、腰椎のどの部分が刺激を受けるとどの部分に痛みを感じるのかを示した図です。
例えばBさんのようにAの部分に痛みを感じる場合には、同側の椎間板前部に分布する脊椎洞神経が刺激を受けている可能性が高いです。
また、頚椎においても、椎間板や椎間関節が原因で肩周りの筋肉に痛みが出ることはよく知られています。
上記の図からBさんが感じる、「動けないほどの痛みではない」という感覚は、背骨の変性(老化)によって起こる感覚と考えられます。しかし脊椎や椎間板が変性していても痛みを感じない人は沢山いますのでこの感覚については個人差があるといえます。
Bさんはこの感覚に対して「運動不足?」「猫背?」「からだが硬くなっている?」などのいろいろな意味付けを行ない、その結果として、「けれどもこの感覚が気持ち悪い」と我慢できなくなっているのでしょう。
ここには「精神交互作用」が働いていると考えられましたので、そのことをBさんに説明すると、Bさんは「そうかもしれない」と受け入れてくれました。
この「精神交互作用」は次のブログでも説明します「マインドワンダリング」と関連しています。
精神交互作用については↓↓↓をご参照ください。
http://www.korikori.com/blog/itamitoisiki/
マインドワンダリングについては↓↓↓をご参照ください。
http://www.korikori.com/blog/mindwondering/
施術
筋膜リリースと整体、それに加えて認知行動療法的なかかわりを週に2回×4週間
1回の治療費;6400円
Bさんは事務仕事で背中を丸めて作業をすることが多いとのことで、背部の筋膜に癒着があると想定しました。腰から臀部の痛みに対しても同様です。
背部と腰部の筋膜をゆるめるように筋膜リリースを行ない、整体で更に筋膜を伸ばすようにしました。
さらに、Bさんが自ら意味付けした「動けないほどの痛みではないけれどもこの感覚が気持ち悪い」という訴えに対して、その意味付けを解体するように症状を説明していきました。
施術メニューはこちら↓↓↓
結果
腰痛の評価は初診時10であったのが3にまで下がりました。最も気になっていたお尻の痛み、だるさはなくなったとのことです。
Bさんはお尻に意識を向けることで痛みが強くなること(精神交互作用)を理解してくださいました。
7回目来院時に頚と左背中の痛みが強くなり、途中から左背部の痛みについても集中して行なったところ、8回終了時に頚の痛みは残っていましたが、Bさんは「この痛みも十分にやりこなせる」という自信を感じておられました。
考察
Bさんの痛みの原因は大きく分けて3つ考えられます。
①脊柱の老化
②事務仕事による不良姿勢
③痛み感覚に対する意味付け
です。
この最近のブログの内容に従い、Bさんの痛みを「からだ」、「こころ」「文化(社会)」の問題に分類するとすれば、
①脊柱の老化は「からだ」の問題、
②事務仕事による不良姿勢も「からだ」の問題
③痛み感覚に対する意味付けは「こころ」と「文化(社会)」の問題と言えます。
上記の分類により、Bさんの場合は「からだ」の問題が多いように思われますが、全くそうとも言えません。
なぜならBさんの痛み感覚は、「動けないほどの痛みではないけれどもこの感覚が気持ち悪い」というものだからです。
もし、「からだ」の問題の割合が他の問題よりも大きい場合には、動かした時の痛みが大きくなってくるものです。
しかしBさんはそうではなく、痛み感覚は「気になる程度」なのです。
この、「気になる程度」の痛みを小さくするためには、
①脊柱の老化としての「からだ」の問題に対しては、可動域が狭くならないように整体を行ない、背骨が変形しても動ける状態を作ります。
②事務仕事による不良姿勢としての「からだ」の問題に対しては、筋膜リリースを行なって不良姿勢によって起こった筋膜の癒着をはがすようにします。
そして、
③痛み感覚に対する意味付けは「こころ」と「文化(社会)」の問題に対しては、認知行動療法的なかかわりによってその意味付けを解体していきます。
たとえばBさんは、「朝10分、夜10分マッサージ機にのらないと身体が硬くなってくる」というイメージを持っていましたが、朝夜のマッサージ機をやめてみるように指導しました。
その結果、Bさんは腰と背中の感覚に変化はなかったことに気付きました。つまり、「ほぐさないと硬くなってしまう」という思い込みが少なくとも硬いイメージを維持させていたのです。また、
Bさんには「マインドワンダリング」が働いていたと考えられます。集中力が途切れた時や比較的ゆっくりした時間に痛みを感じる人には、マインドワンダリングが働いて肩こりや腰痛に意識が向いてしまいます。精神交互作用とも言い換えることが出来ますが、Bさん自身でそこに気づいて頂けたこともよかったのでしょう。
今回のBさんの事例では、Bさんの状態をしっかりと説明して、納得を得られた上で治療を進めたことにより良い結果が得られたと考えています。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で、肩こりや腰痛でお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。鍼灸・筋膜リリース・整体などでみなさまの痛みを施術します。小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
北巽は一つ手前の駅です。北巽ではなく南巽で下車してくださいね。当院へは平野区、生野区以外にも、東住吉区や東成区、八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などからも患者さんが来院されています。
アクセス
小川鍼灸整骨院
〒547-0001 大阪市平野区加美北1丁目1-11
【アクセス】大阪市営地下鉄千日前線 南巽駅から徒歩1分

