変形性股関節症の保存療法(前半) 【臼蓋形成不全 股関節脱臼 可動域制限 】

はじめに

小川鍼灸整骨院のブログです。

 

今回は変形性股関節症について2回にわたって説明します。

 

1回目は変形性股関節症とは何かについて説明します。

2回目はその保存療法について説明します。

 

変形性股関節症とは股関節における変形性関節症です。

 

変形性関節症と言うと膝が有名ですが、膝股関節や足関節などでも起こる疾患です。

 

なんらか原因で股関節の関節軟骨に摩耗や損傷が生じ、しだいに変形が進みます。

進行に伴い、股関節の可動域制限(動く範囲が狭くなる)や痛みが強くなってきます。

 

加齢とともに発生頻度が高くなり、特に女性に多く見られます。

 

発生原因による分類

変形性股関節症は原因により、大きく2つに分類されます。

 

・1次性変形性股関節症(10-20):原因不明 

・2次性変形性股関節症(80-90):原因が特定できる

 

多くは2次性の変形性股関節症で、その原因となる疾患は、先天性股関節亜脱臼、脱臼後の臼蓋形成不全による亜脱臼性の股関節症が大部分です。

 

また、小児に見られるペルテス病、他に大腿骨頭すべり症、大腿骨頭壊死症、骨折などが原因としてあります。

 

原因

臼蓋形成不全とは大腿骨頭の受け皿である臼蓋が正常よりも浅くなります。

 

正常であれば凸と凹の関係である大腿骨頭と臼蓋はきっちりとはまり込みますが、臼蓋形成不全では大腿骨がきっちりと臼蓋はまることが出来なくなります。

 

形成不全がおこると関節面への荷重が均等にかからなくなります。

 

その為、階段昇降時や立位時などに正常よりも更に関節面への負荷が増大し、関節軟骨の破壊が進行します。

 

症状

臼蓋形成不全の初期症状は歩行や荷重時での鼠径部の違和感や歩行後の股関節の痛みです。

 

安静時には痛みがほとんどなく、日常生活でも困ることは少ないようです。

 

しかしながら、進行すると歩行や運動時に股関節周囲や腰、膝、臀部にまでに痛みが生じます。

 

変形の進行とともに痛みは強くなり、更に股関節の可動域制限が大きくなります。

 

検査法

変形性股関節症では患側の股関節外転筋力の低下がしばしば見られます。

 

外転筋は安定した歩行をする際に重要な働きをする筋肉です。

 

そのため、この筋力が低下すると患側で片足立ちをした際に骨盤が健側に傾いてしまう、トレンデレンブルク兆候が見られます。

 

また、脚長差や筋力低下による太ももの筋肉の萎縮が見られることもあります。

 

股関節の可動域制限もまた、重要な確認方法の1つで、健側との比較によってその制限が見て取れます。

 

変形性股関節症の確認方法は視覚的なもの以外にも特定の動きをして、痛みが誘発されるかを確認することでも検査されます。

これを疼痛誘発テストと言います。

 

方法1:パトリックテスト

仰向けで健側の足は伸ばし、患側の足を股関節屈曲・外旋・外転というちょうど数字の4のような姿にして、痛みが出るか確認します。

これをパトリックテストと言います。

パトリックテストの肢位をした際に鼠径部付近に痛みが出れば、変形性股関節症の可能性が高くなります。

 

方法2:インピンジメントテスト

仰向けで健側の足は伸ばし、患側の足は股関節を内旋させながら90°まで屈曲させ、その位置でさらに内転を加えて痛みが出るか確認します。

痛みが出たら股関節前方部分の病変が疑われ、臼蓋形成不全の可能性が高くなります。

 

 

おわりに

変形性股関節症は加齢とともに発症し、徐々に悪化する疾患です。

 

変形した股関節は以前の様に戻らないものの、早期に発見することで、対処の幅が広がります。

 

股関節に痛みのある方は1度ご相談下さい。

 

次回は検査法の続きとして、レントゲン検査による重症度分類、保存療法について説明します。

 

 

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参考文献

1)内藤 正俊:変形性股関節症.最新整形外科学大系,16巻, 8章股関節部の疾患,中川書店,p272-285,1999

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