68. ヘルペス後神経痛の患者さんから学んだこと

 

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久しぶりにヘルペス後神経痛の患者さん(Sさん)

を治療する機会を得ました。Sさんの痛みは生活

レベルが一気に低下するほどの重症です。私は、

鍼治療を本人様より依頼されたので早速行いま

した。最初のうちはよく効いたと喜んでいただき、

生活レベルも向上してきたのですが、そのうち、

はじめほど効果が出ないようになってきました。

 

臨床ではよくあることです。

 

私は、家族の方にお電話しました。「お母様、

おうちではどのようなご様子でしょうか?最初、

治療効果は上がっていたのですが、効果が一定

に達してきたご様子です。はじめの激痛は楽に

なっていると思うのですが・・・」

 

 

私は、このようにSさんの家族に先にお電話をし

て鍼治療の効果が限界に来ていると話しました。

治療開始後1ヶ月のことです。

 

私がこの電話をしようと思った理由は、治療中の

Sさんに笑顔が見られなくなってきて、Sさんが

治療に対して不満を感じているのではないだろ

うか?もしそうなら、家族の方から治療を中止

してもよいということ伝えてもらおうと考えた

のです。

 

しかし、家族の方は私に次のように話しました。

 

「先生が良いと思うのなら、費用は気にしません

ので鍼を続けてください。もし、効果がないとい

うのなら止めるしかありませんが、少しでもまだ

楽になる可能性があるのなら続けてお願いしたい

のです。病院でも治療を受けていますが母親は

病院での治療を気に入っていません。先生は忙し

すぎるし、薬だけだからです。気分的にでも楽に

なるのならそれでもいいので鍼を続けてくだ

さい。」

 

 

私は、目先の治療効果にとらわれすぎていたの

かもしれません。費用もかさむのでご負担も

気になっていました。何よりも、治療効果がわか

りやすく出ない時に焦りがでたのでしょう。その

ことが患者さんにも伝わっていたのかもしれま

せん。確かに、鍼治療は痛みを軽減させることが

一番の目的です。

 

しかし、患者さんとの会話を通してゆっくりと

醸し出される様々な効果もあります。そしてそ

の効果には時間がかかります。私はそのことに

全く目が向いていなかったのです。

 

Sさんのご家族との電話で、なんだか治療者とし

て恥ずかしい気持ちになりました。

私の経験では良好な患者治療者関係を構築でき

た患者さんはたいてい良くなってもらっています。

そのことを忘れてしまっていました。

 

治療者患者関係を研究しているにもかかわらず

です。重症の患者さんの治療はそれぐらい緊張

するものなのです。

 

Sさんは現在、ご家族のご助言から更に治療を続

けて、鍼治療が必要でないほどまでに回復されま

した。本当によかったです。

 

治療者としての良い学びを得ることができました。

 

Sさんとご家族に感謝します。
今回は笑いなしです(笑)

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