4.痛みの原因がわからない!~患者さんが訴える体の異常についての考察 その②~

 

 

 

 

ここで、「肉体に生じる異常」に加わる

様々な感情について例を挙げてみましょう。

もちろん、この感情はいわゆる「不定愁訴」

と表裏一体となっています。

 

 

・例えばこの人の骨折が交通事故によるも

のであり、自分に過失がない場合、加害者

に対する怒りの感情が生じることがあります。

 

 

「酒を飲んで運転するなんて、なんてやつ

だ!なんであんなやつのために自分が

こんな目にあわなければいけないの?な

んで自分が!」

 

 

・入院先の医療機関で受けた説明の通りに

症状の改善が得られない場合には、不安

や医療者に対する不信が生じるかもしれま

せん。

 

 

「先生の話ではもう治るころなのにまだ治

らない。このままの状態でもう治ることは

ないんじゃないか?もっといい方法がある

かもしれない、あの先生若かかったから

経験が浅いのかも?。病院をかえたほう

がいいのかな?」

 

 

・この人がもうすでに治っているはずだと

お医者さんに診断されたとしても、自分と

しては骨折前の状態とは程遠い状態であり、

これで治ったと言われることに不満を感じ

るかもしれません。

 

 

「これ以上リハビリできないだって?まだ

まだ痛むし思ったように使うこともできな

い、こんなんじゃ仕事に復帰してもみんな

の足手まといになっちゃうよ」

 

 

・はたまた、これまで人間関係が希薄であっ

た人が今回の骨折によって周囲から優しく

してもらう機会を得たとすると、この機会を

持続させたいという気持ちが無意識に働き、

症状を訴え続けるという人もいるかもしれま

せん。

 

 

・また知人のなかに、過去に同じような経験

をした人がおり、その知人が後遺症で苦しん

でいるとすれば、自分もそうなりたくないと

いう気持ちが無意識に働いて過剰に症状を

訴えて治療者の注意を集めようとすることも

ありえます。

 

 

「Xさんは手術をした後に神経痛が残って歩

くのもつらそうだったな。え!自分もXさん

みたいに神経痛もちになっちゃうの?そうな

らないうちにもっと治療をがんばらなくて

は!」

 

 

これらの例は本人さんに直接確認したもの

ではありません。しかし、理論的に説明可能

なものや、そうであると仮定して対応する

ことで治療効果が得られた例であり、実際

に私が臨床で経験したことです。

 

 

では、このような感情がなぜ問題となるの

でしょうか?

 

 

それは、このような感情が、「肉体的に

生じる異常」の苦しみと掛け合わさって、

さらに大きな苦しみをもたらすと考えられ

るためです。ここでの苦しみは、単に

「肉体的に生じる異常」+感情というよ

りは、「肉体的に生じる異常」×感情と

言い表すほうが適切と思われます。

 

 

このような患者さんは基本的に、

「肉体に生じる異常」に掛け合わされる

感情について自覚していることはまれの

ようです。

 

 

そして、ほとんどの人には複数の様々な

感情が存在し、掛け合わさるようです。

 

 

感情は目に見えず、しかもほとんど

無自覚で、複数存在する。検査をしても

異常がみられないのはこのためで、

だから原因がわからない痛みとなって

しまうのでしょう。

 

 

(つづく)

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