19.治療が上手くいった理由の考察⑨

2015年6月のブログです。ホームページ移設

のためにここに移動しました。

 

 

 

突然痛みがなくなったSさん、Sさん自身が

そのことについてどう解釈しているのかを

Sさんに聞いてみました。

しかしSさんは「治療がよかった」とか、

「先生のおかげ」とか、治療者である私に

とって口当たりの良いことしか言いません。

それらの答えも想定内であった私は、次の

ように聞いてみました。

 

 

「Sさん、ヘルニアが免疫細胞に食べられて

へこんでしまうという話をしましたよね、

あの話が痛みのなくなった原因ではないで

しょうか?」

 

 

するとSさんは

 

 

「はい、それは大きいと思います。」

 

 

と答えました。

 

 

研究者としての私には、この話を掘り下げたい

という欲求がありました。しかし治療者である

私がそのことをやめさせました。

 

 

Sさんにとって私は鍼灸を専門とする治療者

です。だから鍼治療が効果的であったという

物語がSさんにとってはベストと考えたから

です。

 

 

心理的な変化(ととりあえず書きますが)を

もたらすことは鍼灸師の正攻法ではないからと

いうのも理由の1つかもしれません。

 

 

これらのことから話を掘り下げませんでした。

 

 

つまり詳しくお話しを伺うことはできませんで

した。ここでSさんの痛みが1日でよくなった

理由を私なりに考えてみます。

 

 

これまでの鍼治療は全く効果がなかったと

いうことではないかもしれません。神経生理

学的に働き、小さな鎮痛をもたらしていた

可能性はあります。

 

だからSさんは通院を続けたのかもしれません。

また6か月の通院期間の中でもしかしたら

Sさんの神経痛は、すでに炎症が治まっていた

可能性もあります。そしてその痛みがなく

ならなかった理由として、「手術をしなけれ

ばなくならないヘルニア」のイメージがあっ

たのかもしれません。

 

 

つまり、イメージによって痛みが構成されて

いたと考えることもできるでしょう。

 

 

そして、それがイメージであるがゆえに

イメージの塗り替えによって症状がなくなっ

た、つまり痛みの意味づけが変化したことに

よって症状がなくなったと考えられるのでは

ないでしょうか。

 

 

Sさんのように1日にして症状が劇的に変化

することは稀なケースだと思います。

 

 

しかし、痛みのイメージまたは意味づけが変化

することで症状がなくなった人を私は多く経験

しています。

 

 

この方法は鍼灸師の正攻法ではありませんが、

たぶん、どの種類の治療者も経験知、あるいは

「臨床の知」として実践しているのではないで

しょうか?

 

 

私は治療のもっとも重要な部分だとは思ってい

るのですが・・・・。

 

 

あまり研究されていません。医療人類学者や

医療社会学者はよく取り上げているトピック

ですが、肝心の臨床家には全く取り上げられ

ていません。

 

 

愚痴っぽくなるのですが、私が某学会に投稿

した論文は見事に却下されました(笑)

 

 

次回は痛みの原因がわからない痛みをもつ患者

さんで、治療が上手くいかない例について考え

ていく予定をたてています。

 

 

あ、その前に病気がイメージによって創り上げ

られることについて考察しましょうかね、

やっぱり!

 

 

(つづく)

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