論文紹介:腰痛の疫学研究【平野区 加美 腰痛 ぎっくり腰 恐怖回避思考 認知行動療法】

はじめに

 

 

小川鍼灸整骨院のブログです。だんだん暑くなってきました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。さて今回は、「日本人勤労者を対象とした腰痛疫学研究」という論文を紹介します。この論文は当院で行なう認知行動療法的なかかわりがなぜ腰痛治療に必要なのかを説明してくれます。大阪市平野区加美北地区、地下鉄南巽周辺から発信致します。

 

執筆担当は小川です。

http://www.korikori.com/staff/

 

 

内容

 

この論文は、日本職業災害医学会のシンポジウムの内容がまとめられたものです。この論文が好評された2015年までで腰痛は最も社会的な損失が大きい疾患のひとつであることがわかりながらも、日本では疫学的な研究が進んでいませんでした。このことを受けて、筆者が近年の腰痛に関する自身の研究をまとめました。以下に重要な内容をまとめてみます。

 

腰痛の生涯有病率
日本人が生涯のうちで腰痛になる割合は、男性で82.4%、女性で84.5%であった。

 

腰痛の危険因子
重要な危険因子として、過去に腰痛を経験したことがあること、1日の作業時間の半分以上が持ち上げ動作であること、職場での対人関係のストレスが強いことであった。また、慢性化の要因として、仕事への不満、低いソーシャルサポート、抑うつ、身体化などの心理社会的な問題があり、海外の研究と同じ傾向があった。仕事中心の生活の人にも腰痛の危険性が高かった。

 

 

恐怖回避思考
恐怖回避思考とは、「痛みに対する不安や恐怖感、自分の腰や腰痛、その他の筋骨格系疼痛に対するネガティブなイメージから、過度に大事をとる意識や思考・行動のことである」とされる。この思考を持っている人の傾向は、「家族が腰痛で困っていること」や、「運動の経験がないこと」、「医療機関で安静にするようにと言われたことがある」、「腰痛のきっかけがスポーツ以外であること」、「坐骨神経痛の経験があること」、「労働災害であるこ」であった。また、痛みやうつ気分が強い労働者、腰痛による欠勤や腰痛再発の経験がある労働者は恐怖回避思考が強い傾向にあった。

 

腰痛の危険因子と腰痛のメカニズムについて
腰痛のメカニズムは、ここまで調べられた腰痛の危険因子と関係から、次のように考えられる。それは、椎間板の組織変性による微小な変化にに加えて、心理社会的ストレスが痛みを感じやすくさせたり、自律神経の乱れから筋肉を緊張させたりすることである。より具体的には「心理的負担がある状態で持ち上げ動作を行なうと、軽微な姿勢バランスの乱れによる背筋収縮がよりいっそう椎間板圧縮力を高める」といえる。

 

 

・安静指導について
ぎっくり腰で医療施設を受診して「安静を指導された人たち」は、「できるだけ動くように指導された人たち」よりもその翌年のぎっくり腰再発率が3倍以上であった。また、「安静を指導された人たち」の方がぎっくり腰の再発を繰り返して慢性化する傾向にあった。

 

 

当院の見解

 

 

すごくわかりやすく、興味深い研究報告です。当院を受診される多くの患者さんも同じような傾向にあると実感しました。恐怖回避思考や心理社会的背景、ストレスというのは、腰痛特にぎっくり腰非常に根強く関係していることは現場で感じることです。

 

 

この論文でもわかるように、腰痛ぎっくり腰を治療しようとすれば、身体だけを診るのではなく、患者さんの生活背景や腰痛に対する考え方も考慮して治療する必要があります。

 

しかし、

 

多くの患者さんにそのような突っ込んだお話しはできません。理由は、患者さん自身が身体の問題を重要視するからです。言い方を変えると、心の問題に目を向けないからです。

 

心の問題は非常に表面化しにくいのです。すごくストレスを感じているにもかかわらず、ストレス自体が何か分らないために、ストレスを捉えることができない。だから対処の仕様がわからない、わけが分からないということになります。

 

 

また、「恐怖回避思考」とここでは取り上げられていますが、患者さんからすれば、「あんなに痛い思いをしたのだから恐怖を感じるのは当たり前と考えるでしょう。

 

そりゃそうです。

 

腰痛に対する恐怖反応はいわば普通のことであり、それを異常扱いするのは、腰痛を知り尽くした医療者だけでしょう。

 

ここに難しさがあります。

 

医療者にとっては異常。でも患者にとっては当たり前。

 

このギャップが、「恐怖回避思考」の扱いを難しくしているのですね。

 

でも、確実に治療効果が上がる患者さんは、この「恐怖回避思考」に気付いて行動範囲を広げようと進んで身体を動かす人であることは、私の臨床経験からも間違いないことだと思います。

 

ということで、小川鍼灸整骨院では腰痛でお困りの患者さんに対しては、まず身体の問題をしっかりと確認します。

 

 

そして治療を進めるなかで患者さんの考え方や生活背景に踏み込む必要があるときには、しっかりと会話をもつようにします。理想的には恐怖回避思考を見つけ出し、患者さんに理解頂いて、腰痛を根本から治すようにしていきます。

 

 

この治療を私たちは認知行動療法的かかわりと呼んでいます。今回の論文では、主に腰痛についての調査研究の報告がされていましたが、基本的には肩こりや変形性関節症の痛みなども同じようなことと考えております。

 

 

おわりに

 

 

大阪市の平野区加美地区・生野区界隈で、腰痛や坐骨神経痛でお悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。筋膜リリースやはり治療、整体、そして認知行動療法的なかかわりを通して患者さんをしっかり治療させて頂きます。

 

当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

 

参考文献

 

 

松平 浩:日本人勤労者を対象とした腰痛疫学研究.日職災医誌,63:329─336,2015.
http://www.jsomt.jp/journal/pdf/063060329.pdf

アクセス

小川鍼灸整骨院

〒547-0001 大阪市平野区加美北1丁目1-11
【アクセス】大阪市営地下鉄千日前線 南巽駅から徒歩1分