論文紹介:線維筋痛症について②【平野区 加美 線維筋痛症 認知行動療法】

はじめに

 

 

小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、「線維筋痛症:病因・病態の進歩と治療の現状」という論文を平野区加美北地区から紹介いたします。2015年の総説ですので比較的新しい線維筋痛症の概要が記述されています。

執筆担当は小川です。

http://www.korikori.com/staff/

 

 

内容

 

線維筋痛症は、全身のこわばりと慢性的な痛みを主症状とし、うつ病や不眠、全身疲労感などの身体的な症状と心理的な症状が混在している。その特徴は医学的な異常が見つからないことである。

 

 

医学的検査で異常が見られないことから疾患に対する理解が得られにくかったが近年は研究の発展により脳内神経炎であることが推測されている。

 

疫 学
2005年の厚生労働省の調査によると、有病率は人口比 1.7%と推計され、女性に多く、男性と女性の比率は1:4.8であり、平均年齢は51.1で55歳~65歳にピークがあり、推定発症年齢は43.8歳である。遺伝性は家族集積性(家族内または家系内に高い頻度で線維筋痛症が認められること)の報告があるが、環境要因が関与するとされている。

 

病因・病態
線維筋痛症の原因は不明とされる。しかし、痛みのある筋肉部分の異常や精神医学的な異常、視床下部を中心とする内分泌系の異常、脊髄液中の物質の異常、末梢神経の異常、痛みの伝達系の異常、免疫系の異常など様々な方向から研究が進んでいる。線維筋痛症の痛みの原因については、この痛みが脳や脊髄を中心とする中枢神経系の痛みとして研究が進んでいる。これら一連の研究により、痛みとビタミンDの関係が指摘されている。線維筋痛症のような症状は、子宮頸部癌ワクチン接種後にも起こることがあり、この疾患(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の解明から線維筋痛症の謎の解明が期待される。

 

 

臨床像
発症の原因がわからない一次性(原発性)と何らかの疾患に続いて発症する二次性(続発性)がある。日本では3:1と一次性の方が多い。二次性の場合に以下の疾患による。

 

 

検 査
検査では異常値がみられず、異常値がみられれば線維筋痛症は否定される。関節リウマチや膠原病でみられるリウマトイド因子の陽性、抗核抗体反応はみられない。近年、脳画像診断の発達によって脳機能の異常が検出されることがある。

 

診 断
アメリカリウマチ学会の診断基準が国際的に用いられており、

①3ヵ月以上続く全身的な慢性の痛み

②定められた全身の18カ所のうち、11カ所以上を押さえて痛みがあること

からなる。

 

2010年に改定された診断基準は

 

①定められた全身の19カ所を押さえて痛みがあるかどうか(慢性疼痛の広がりが一定以上あるかどうか)、かつ重症度を表す質問のスコアが一定以上であること、

②臨床徴候が診断時と同じレベルで3ヵ月間は持続すること、

③慢性疼痛を説明できる他の疾患がないこと

(各診断基準は本論文参照のこと)

とされているが、この基準は改定前の基準に取って代わるものではない。

 

治療
原因不明のために絶対的なものはない。治療原則は不必要な治療を排除して患者家族に線維筋痛症の存在を理解してもらい、睡眠、有酸素運動を行い支援すること。第一選択されるべき薬物療法はプレがバリン(リリカ)とされる。非薬物療法では、家族教育、認知行動療法、鍼灸治療、電気けいれん療法などがある。

 

経過
生命予後には問題ない。論文筆者の経験では、25%回復率が7年、50%回復率が11年とされ、発症後30年持続する例もあるとのこと。小児では大部分が1~2年以内に回復している。

 

当院の見解

 

 

今回の論文は2015年のものであり、比較的新しいです。前回のブログで扱った論文と違うところは、新しい診断基準が記載されていることです。

しかしながら、検査で異常がないことや全身の痛みの広がり具合などが評価の対象となっているので、やはり、患者さんの主観によって重症度が決定するのは間違いなさそうです。

また、治療法としてはリリカが比較的よく効くとされ、その他の治療は認知行動療法が効果的なようですね。

認知行動療法が効果を表す理由については前述の通り、この疾患は患者さんの主観によって重症度が決定するからでしょう。認知行動療法は患者さんとの関わりに中で、患者さんご自身が自分の考え方の傾向とその結果に気付き、自分の考え方とそれに伴う行動を変化させることで心理社会的な苦痛を軽減させていく心理療法です。

ここに筋膜リリースや鍼灸治療を加えることで、症状の軽減をさらに図ることができると考えます。

 

 

 

当院ではカウンセリングとしての認知行動療法は行なっておりませんが、鍼灸や筋膜リリース、整体治療を行ないながらその間で行なわれる会話の中で認知行動療法的な効果を引き出すようにしています。この方法を私たちは認知行動療法的なかかわりと呼んでいます。

 

つまり、身体の治療を受けながらカウンセリングとしての認知行動療法も同時に受けられるということです。

 

 

 

おわりに

 

 

大阪市の平野区加美北地区、生野区界隈で線維筋痛症の痛みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

 

 

参考文献

 

 

松本美富士 :線維筋痛症:病因・病態の進歩と治療の現状 .臨床リウマチ,27: 239~252,2015 .

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/27/4/27_239/_pdf/-char/ja

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