16.治療が上手くいった理由の考察⑦

2015年6月のブログです。ホームページ移設

のためにここに移動しました。

 

この記述では、「痛みの意味づけが変化する

ことで痛みがなくなる」ことを示しますね。

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治療者である私も意図しないところで治療の

効果が上がることもあります。

 

今回は突然に効果が上がった事例です。

 

事例の痛みは椎間板ヘルニアが原因であり

「原因がわからない痛み」ではありません。

 

しかし、原因がわかったとしてもすぐには治ら

ないという意味では「原因がわからない痛み」

と同等に扱うことができますので紹介させてい

ただきますね。

 

やはり長くなりそうなのでまずは前編です。

 

50代後半、工場作業員のSさん。整形外科で

のMRI検査の結果、椎間板ヘルニアと坐骨神

経痛を診断されました。 整形外科では治療ら

しいことをしてもらえないと感じたSさんは

鍼治療に望みをかけて私のもとに来院されま

した。

 

診察の結果、神経痛がきつい側の下肢の筋力は

低下して、筋肉もやせています。皮膚の感覚も

鈍っています。下肢をまっすぐ上に挙げて神経

に負担をかけるテストでは、神経痛が誘発され

ました。

 

つまり典型的な坐骨神経痛です。

 

私は、Sさんに次のように説明しました。

 

「最初は痛い日だけが続きます。そのうちに

痛みのない日がたまにやってきます。痛みの

ない日が多くなってくると、たまに痛い日が

やってくるという状態になります。そしてた

まの痛い日もいつの間にかなくなっていたと

いうことになります。それまでの間、なんと

か鍼治療でやりこなしていきましょう。」

 

「Sさん、この痛みは治るまでに3か月から6か

月程度かかると言われていますが必ず治ります。

そのことは私が保証しますので私に任せてくだ

さい。」

 

Sさんは秋田県出身。十数年前に奥様と離婚し

て現在は一人暮らしです。素朴な人柄のSさん

は私の説明に同意し、治療者である私を信じ

てほぼ毎日通院されました。

 

毎日の治療の中できびしい坐骨神経痛はすぐに

は改善されませんでした。

 

最終的にSさんの治療は半年かかりました。

痛みがよくなったり悪くなったりを繰り返し

た治療の中でなされた典型的な会話は次の

通りです。

 

私:「Sさん、今日の痛みはどうですか?」

 

Sさん:「やっぱり痛いですね。」

 

私:「そうですか、まだ痛みがありますか。

痛みが楽になる日がやってくるはずなんですが。

もう少し頑張らせてくださいね。」

 

私は鍼治療を行うにあたってもちろん、効果が

上がるように考えながら治療をしています。

しかしよく広告にありような、「即効性がある

治療!」はあまり信じていません。

 

願わくばそうあってほしいという気持ちはあり

ますが、基本的にはヘルニアが神経を圧迫して

いる部分の化学的な炎症が治まるまでの時間が

必要であると考えるからです。

 

私はいつも、Aさんのように慢性の痛みですぐ

に改善しない患者さんに対して次のように考え

ることにしています。

 

患者さんは痛みの濁流にのみこまれそうになっ

ている状態で治療者にしがみつきます。

 

 

正に藁をもつかむ思いで。患者さんが仮にしが

みつくものがなかったとしても時間が経過すれ

ば自然治癒として治っていく場合も多いです。

 

 

その場合は濁流にのみこまれ、溺れそうにな

りながらも最終的には川岸にたどり着いたと

例えることができます。

 

 

しかし、今正に濁流にのみこまれそうな患者

さんにはとりあえず川岸にたどり着くための

浮き袋が必要になります。

 

 

私たち治療者が行う治療はどれも絶対的で確実

なものはありません。

 

確実にできることがあるとすればそれは、この

浮き袋になることだと。

 

だから私は毎日のSさんの治療のなかでSさんが

痛みに溺れてしまわないようにとにかくは浮き

袋になることに徹しました。

 

Sさんはどのように解釈されたのかわかりませ

んが治療を継続してくれました。

 

そのような中で、ある時のSさんとの会話で

突然Sさんの中で痛みの意味に変化が現れた

のです。 その変化は偶然にやってきました。

 

(つづく)

 

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