出産のあり方

ホームページ移設のために以前の記事をアップさせていただいております!

以下は2011年12月の記事です

 

 

今日、最初の患者さんからすごい話を聴きました!

次のような会話です。

 

 

私:「山田さん(仮名)は対馬で子供さんを生みましたか?」

 

山田さん:「はい、6人ともね」

 

私:「病院ですか?」

 

山田さん:「いいえ、家で」

 

私:「え!家で?」

 

山田さん:「私は山奥の一軒家やったから、助けてくれる人はいないよ、

 

上三人はお姑さんが 手伝ってくれたけど、下三人は自分でね。上三人

の時にやり方覚えたから、お姑さんは三人目がうまれてからすぐに死んで

しまったしね」

 

私:「す、すごい!今じゃ考えられないですね!」

 

山田さん:「そうでないと産めないじゃないですか(笑)、誰もいないのに」

 

 

そうなんです。人の出産とは本来そういう、いたってシンプルなものなのかも

しれません。この話を聞いていた、韓国国籍のスタッフは、次のように言っていました。

 

 

「私のおばあちゃんは、妊娠7ヶ月目でお腹の赤ちゃんが死んでいることに気づき、

その処理をするために、木の枝につかまって、おじいさんが股ぐらに手を入れて、

死んだ赤ちゃんを引きずり出したらしいですよ。そのあと、おばあちゃんは

すぐに畑仕事に戻ったらしいですよ」

 

 

この話もすごくシンプル!

 

 

山田さんのお話で興味深いのはへその緒の切り方でした。

 

 

「へその緒はね、子供の膝の高さで切るんです。こうやって測ってね。

短すぎるとダメ。おねしょをするようになるから。きったらしっかりと

糸で縛るんです。そうでないと、中の汁が出てくるでしょ。それは子供

によくないから」

 

 

(し、し、汁って・・・・・)

 

 

私は山田さんに、

「隣に今、まさに生まれそうな人がいたらどうしますか?」

 

と質問しました。すると、次のように答えてくれました。

 

 

「そりゃ、取り上げてあげるよ。私は全部しってるものね」

 

 

その言葉にはなんともいえない頼もしさを感じました。

 

 

この話を聞いていたほかの患者さんは、次のように言っていました。

 

 

「産婆さんなんか、何もせえへんやん、生むのは自分。産婆さんは

後始末をするだけ」なるほど、出産の基本的な作業は自分が行うもので、

現代医学はそのリスク管理のために尽力しているということができるかも

しれません。

 

 

しかし上記のような、出産のシンプルさを考えると、現在の医学的管理下に

おかれた出産はあまりにもコスト高ですね。

 

 

自分で出産すれば0円。

 

でも、現代医学的に管理すれば40~50万円。

 

エステとステーキを付ければ尚コスト高(笑)。

 

もちろん私も、できるだけ低リスクな出産を望む気持ちを持っています!

親ですから。

 

でも、医学的管理の下に正常分娩ができそうな妊婦さんは自宅分娩、

リスクが高い妊婦さんには医学的管理という、もう少し合理的で効率的な

制度の構築はできないものですかね。ちょっと長くなりました。

 

 

私の日常業務では、いろんな世代を生きた患者さんたちといろんな会話を

持つ機会があります。

 

 

上記の会話もその日常の一部です。

 

 

尚、これらの会話は私が勉強する医療人類学のトピックの一つにも

なっています。興味のある方はこちらをどうぞ

 

http://www.amazon.co.jp/%E5%8C%BB%E7%99%82%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6%E3%81%

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d=1323920349&sr=1-1

 

池田光穂・奥野克巳共編「医療人類学のレッスン」 学陽書房 2007

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